オリジナル 機動戦士ガンダムEa-エア- http://www5.hp-ez.com/hp/msgundamus オリジナル外伝『機動戦士ガンダムUS』のサイトです。 Eaのストーリー、各設定、キャラクター・MSなどの情報が詰まっています。 興味のある方はちらみしてみてください。感想などお待ちしております。 ja <![CDATA[プロローグ[選ばれた素材]]]>



巨大工業コロニー[フォーグラフ]は、サイド4に位置する連邦所有の一般市民用居住コロニーだ。
アナハイム社の巨大なMS製造工場や、NT研究工業学校、連邦軍の主要軍事施設が存在するなど、政府の戦場の要としても大いに役立っている。
中でもNT研究専門学校は、連邦軍初のニュータイプ研究施設だ。
しかし、生徒は研究者になるべく集められたわけではない。
この学校を特殊卒業すればMSパイロットの仕事にストレートに就けるという、軍人育成学校でもある。
多くの生徒は兵士希望であり、数少ない生徒が研究者希望である。
しかし少年ミカ・レコッドは、多人数派の兵士希望に収まっていた。
「では次、生徒ナンバー90、ミカ。入りなさい」
スタッフに促され、ミカはぼんやり赤く発行する不気味な部屋へと足を踏み入れる。
部屋全体が赤い。まるで血に染まっているような、そんな色だった。
やけに分厚いドアが閉まり、完全に密閉された空間にミカは閉じ込められた。
「リラックスしたまえ。別に何が起こるということもない」
スピーカーから、部屋の様子を伺っているのだろう研究員の声が聞こえた。
「あの、これは一体…」
入学早々の身体検査と呼ばれるこの行いは、ミカにとっては全く訳がわからない行為であった。
どうやら、診察のためのレーザーも見当たらない。
「ちょっとした身体検査だよ。深呼吸して、じっとしてくれ」
いわれるがままにし、ミカは部屋の中心に立ち尽くした。
―――3分後。
突如ドアが勢いよく開く。
「お疲れさま。部屋を出てくれ」
「はあ…」
何があったかも分からないまま、ミカは不気味な部屋を後にした。
「結果はおって報告することになっているんだ。包装で呼ぶからここに来てくれればかまわない」
別のスタッフに、要約すれば「帰れ」といわれ、府に落ちないながらもミカはメディカルルームを後にした。
「どうですか、彼は」
スタッフはコントロールルームへ赴き、先ほどスピーカーでミカに指示を出していた研究員へ問いかける。
「…計画を実行するときが来たのかもしれない」


「カミーユ・ビダンのような素質が、現れた可能性がある」





ミカは学校を後にし、自分の家へと戻った。
両親はアナハイム社勤務のため、昼夜仕事に出っ放し。
常に家にはミカ一人である。
帰って来たは良いものの、することのない暇なミカは携帯通信端末を手に取る。
そして、同期の友人たちへ同じメールを一斉送信した。

『今日の身体検査って、あれ何だったの?知ってる人おしえてー』

数分後、次々と返信が来る。

『さあな。もしかしたら、秘密兵器開発かもな!』
『あたしは身体検査に使う新しい器具の実験だと思う』
『まずは壁が不気味すぎるな』

など、多彩な文章が返ってくるわけだが、どうやら真相を知る者はいないようだ。
気にしてもしょうがない。アナハイム社直属のハイレベルの専門学校だ。きっと大事なことだったのだろう。親の勤める会社でもあるわけだ。
そう脳内で片付けたミカは、ちょっとした自分の失態に気づく。
「そうだ、結果を聞きに行き忘れた」
先ほどの不気味な身体検査の結果の放送を待たず、学校を後にしてしまったのである。
「急げば大丈夫だよね?」
半ば焦り自問自答状態になりながらも、ミカは全力で学校へと戻る。
途中で何人もの軍人にすれ違った。
正確に言えば軍用車だ。見つけただけで3台はあった。
向かう先はおそらく基地だろう。模擬戦闘でもするのだろうか。
しかしミカの頭は走ることでいっぱい。
通行人にぶつかろうが信号が赤を照らしていようが止まらなかった。
車を使っ5分かかるため、走りでは20分といったところだ。
ようやくついたときには、エントランスにまっていたかのように研究者が立っていた。
「帰ってしまうとは驚いたよ。さあ、手短に済ませるからよく聞くんだ」
「はい。あの、すみませんでした。うっかり帰っちゃって…」
「そのことはいい。それより、君にとって大事な報告がある」
突然眼を見開いた研究員の顔を間近で見たミカは多少のけぞるが、真剣に話に耳を傾けた。


「ミカ・レコッド君。君は本日を持って、本校を―――」

退学か。と、ミカは正直思っていた。身体検査は何か特殊な機械化何かで、生徒の能力を診断していたんだ。
そう確信したミカは、若干切なくなりながらも次の言葉を待った。
しかし、発せられたのは予想と少々近いが、まったく違うこと。

「本校を、卒業だ」

「え」
言葉にならないわけわからなさがミカを襲った。
卒業とは退学の意だろうか。それとも飛び級に飛び級を重ね卒業まで至ったのだろうか。
それもたったの一週間で。
「あの、ちょっとよく分からないんですけど」
「驚くのも無理はない。しかし君は、この学校を卒業する力を持っている。私はクリケット・ブラッケンだ。よろしくたのむよ」
「えっと…いやちょっとまってくだ…」
「そして卒業と同時に大事な話がある。ここでは何だから、ついてきたまえ」
強引に引っ張られる形で、ミカは通常生徒が立ち入ることはできない職員棟へと入っていく。
そしてエレベーターで地下3階まで下がる。
廊下へでて両サイドに1つずつ、突き当たりに一つの扉があった。
そしてクリケット教授は、まっすぐ突き当たりの扉を開いた。
「いやいや、私は感激している。君のような人材がいて大助かりだ」
てすりにこしかけるなり、よくわからないことを口にする。
巨大な工業ドックだった。それも、MS専用のもの。
なぜ学校の敷地内の地下にこんなものがあるのか、ミカにはさっぱりわからなかった。
「俺の何が優れてるって言うんですか?入試ではギリギリだったし…」
ミカは、この学校の合格者の中ではかなり下位の成績である。
よって、褒められている事が同情かお世辞に聞こえてしまう。
「とにかくだ、君は卒業する。そして志望通り、MSのパイロットとなる」
「もう…ですか!?」
驚きを隠すことはできなかった。
ネオジオンの攻撃によって祖父母を失ったミカは、連邦軍として異端の攻撃から平和を守ることを望んでいた。
その夢は、3年も早送りされミカのもとで叶ってしまったのだ。
「ああ。しかし、君の卒業は少々特別でね…」
備えられたコントロールパネルのスイッチを押したクリケットは、満面の笑みを浮かべながら、開き始める鋼鉄の扉を見据える。
「君に乗って貰いたいのは、コイツなんだよ」
鈍い轟音とともに姿を現したのは、連邦の主力MSとは大きく異なった外見を持つ1機のMSだった。
「これは…連邦軍の機体じゃない。なんだ…」
見たこともない巨体が目の前に広がり、ミカは若干気おされる形になった。
そして、出所がつかめない笑顔を浮かべてクリケットは言った。

「受取ってほしい。名をガンダムアンサラー。選ばれた君という人間の、専用MSだよ」





プロローグ[選ばれた素材] 完  ]]>
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